いつものキスを
ねえ啓介さん。
キスがしたいよ。
痺れるような、すげーやつ。
「藤原のことだいじにしたいのに、どうすりゃいいのかわかんねえ」
キスをしようよ。
泣きたくなるほど、甘いやつ。
「そんなんでいいのかよ」
汗ばんで赤くなった顔も、荒い呼吸も、
オレしか知らない、その声も。
あんたに触られてると余裕なんて全然ないけど
堪えてる顔とか、本当にたまんない。
だからあんたの熱を、全部ちょうだい。
足の先から頭のてっぺんまで、全部あんたで埋め尽くしてよ。
「いいよ」
ねえ啓介さん。
キスがしたいよ。
トんじゃうくらい、ヤバいやつ。
「本当にいいのか」
「…いいよ」
目もくらむような笑顔を見せて、熱く火照った肌が触れたら、
いつもと同じ、キスをちょうだい。
2014-01-10
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