ごほうび

「今日までオレすげー頑張ったと思うんだよ」
「そうですね。本当にすごかったです。啓介さんの頑固さがここまでとは思いませんでした」
「だからさ、ご褒美くれよ」

照れ屋とか恥ずかしがり屋とかそういう類の形容をされるのはまあ仕方ないと思う。
啓介は拓海のことをなぜか淡泊だと評しているようだが、興味はあるしそういう欲もそれなりに持っている。
照れくさいことに違いはないが、ただ表に出すのが苦手なだけだ。

「我慢してたの、啓介さんだけじゃないんですけど」

そう呟いた瞬間にはもう唇が触れていた。

2018-08-05

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